君の膵臓をたべたい
『君の膵臓をたべたい』住野よる
読了
最初にこの本を見た感想から書こうと思う。
一番最初は、カニバリズムか何かについての本かな。
二番目に、表紙が綺麗だな。(自分が読む本を選ぶ時に装丁から入ることが多いこともあって。)
読んでいくにつれてやっぱり私の最初の感想は間違っていなくてカニバリズムについての本なのではないかと思った。でも違った。
たぶんこの本を読んで、軽い本だな。と思う人も少なからずいると思う。
決して重い本ではない、と、思う。
普段芥川龍之介、志賀直哉、太宰治、谷崎潤一郎等々名だたる文豪の作品から
鏡貴也、鎌池和馬、井上堅二のライトノベル等割と幅広いジャンル本は読んでいる。
だからどうといった話でもないのだが。
この本はライトノベルみたいにスラスラ読み進められた。
でも、スラスラ読んでいく中にポッと偶に頭に軽い衝撃が来た。
主人公桜良の「生きるということ」についての考え方は死を目前にした人が辿り着く答えなんだと思った。何故死を間近に捉えている人はこのような考え方に落ち着くのだろう。
作風は何となく村上春樹に似ていた。個人的に村上春樹は1Q84で最終的にエロに頼ったという感想しか持てない作家であるし、この先読むこともないと思うが、確かに似ていると感じた。
軽いとは思うけれども、買ってよかったとは思う。
そんな作品だった。